超☆知性派ブロガーの僕が知性について語ってみる
タイトルは冗談です。
テキストに知性があるかないかを見分ける10のポイントを読んで。
id:aurelianoさん曰く、↓が10のポイントのようです。
その1.統一感があるかないか
その2.言葉遣いを易しくするか難しくするか
その3.伝わり方に気を配っているかどうか
その4.細部をどう扱うか
その5.外来語をどう扱うか
その6.スラングをどう扱うか
その7.ビジュアル的な美しさがあるかないか
その8.強度があるかないか
その9.身体性があるかないか
その10.情熱があるかないか
さて、この10項目を見て思ったのは、「これ、知性的なテキストというより、読みやすいテキストの条件だなあ」ということです。テキストは、まずは最後までふむふむと読んでもらわなくては意味を持ちません。だから、この10項目を駆使して読みやすいテキストを書くことは非常に大事だと思います。特に日本のネットはパブリックな*1テキスト・コメントが英語圏に比べてとても少ないので、このエントリ*2は、もちろん、みんなが読むべき有効なものです。
次に、上の記事に反応されたid:takerunbaさんのエントリ。
知性がないと言う前に、自分に知性を
オレは知性とはこういう外見上のポイントではなくて、如何にこういうポイントにとらわれないかという点にあると思うのだ。この10ポイントに引っかからず、本質を見極める目を持てるかどうか。
賛成です。2ちゃんねるとか、脊髄反射でレスすることが楽しい場もありますが、やっぱり本質というか、全体を通しての「筆者が言いたいこと」を読み取ることが重要だということ。これって、小学校の現代文で習うことなんですよね。でも、「筆者が言いたいこと」を読み取るのはなかなかにムズカシイ。小学校ならあるかもしれませんが、中学・高校の現代文のテストでガンガン100点を取っていた人って日本に一人もいないんですよね。成績が絡んでくるテストですら誤読するのに、タダで気楽に読めるネットの文章を誤読しない人なんてまずいません。
で、「タダで気楽に読めるネットの文章」の中で「知性的な文章」とは何か、という疑問にぶち当たったのです。たとえば小林秀雄の『考へるヒント』なんかが、はてなダイアリーに連載されてたとします。たぶんそれは最後まで読まれないし、人気も出ないんじゃないかなあ。『考へるヒント』はめちゃめちゃ名著です。でも、みんなそんなムツカシイものは求めてないんです。
じゃあどんなものが評価されるか。みんな、「自分にすぐ役に立つ情報」か「自分に優しい情報」を「知性的なテキスト」だと評価するのです。
だから読みやすく、一見パブリックな文体で「〜するためのライフハック」「やる夫で学ぶ〜」(すぐ役立つ)、「○○はクソ。××(ここに読者が含まれる)はまとも」「俺も非コミュだ」(自分に優しい)といった文章を書くとすごく知的だと評価され、人気が出るわけです。*3
やるおで学ぶシリーズなんて完全にそうでしょう。あれ、明らかに一冊の参考文献をAAをつけてメモ書きにしただけっていう作品が多いんですよね。でも名作とか言われちゃう。*4
要するに、今のネットで「知性的な」文章を書こうと思ったら、即物的で読み手に優しい文章を、読みやすく一見公平に見える文体で書けばいいんですよね。*5
なんか悲観的ですが、もちろんid:aurelianoさんやid:takerunbaさんら、知性的な読み手も少数ながらいると思います。でも、ネット上のテキストを評価する人たちの大多数は(僕を含めて)本当の意味でそのテキストが知性的かどうか、なんて気にしてないんです。と、改めて言ってみます。