ニコニコ動画で14歳からのハローワーク(笑)

山本弘自重しろwwwww
 山本弘のSF秘密基地というサイトの「今週の言葉」を、id:y_arimさんが批判されてた。すごく興味を持ったので、感じたことを書いてみます。
 山本弘さんはニコニコ動画の手書きMADを指して「本職のアニメーターにならなくても、アマチュアでもがんばればこんなもの作れることが常識になった今、アニメーターになろうという人間なんているんだろうか?(中略)日本のアニメ界の危機だぞ、これ。」とおっしゃっている。たぶん、この考えの基となっているのは、「メシを喰うためにアニメを選ぶんじゃダメ。ひとりの自立した芸術家として自分の好きなアニメを自由に描いてナンボ」(=認識Xとおく)というたいへんピュアなお考えなのでしょう。そして、「日本のアニメ界の危機」とまで言い切ってしまわれているのだから、山本弘さんは、日本の多くのアニメーターまたはアニメーター志望の人が「認識X」を持っていると判断なさっているはずです。
 しかし、この判断が真実なら、既に日本のアニメーターは集団退職しており、超絶クオリティの同人アニメが大量生産されているはずです。なので、あんまり「認識X」は世の中に浸透していないのでしょう。ニコニコ動画の手書きMADは、べつに日本のアニメ界の危機には繋がらなさそうです。
 むしろ、ニコニコ動画はアニメーターを増やすための最大の窓口になっています。これにはいくつかの理由があります。

  1. 手書きMADの作者が、ニコニコ動画を通じてアニメ制作の楽しさを伝えている
  2. そんな作者が、自分と同じ「ニコ厨」としてすごく近く感じられる
  3. ニコニコ動画にはアニメ・オタク関係の会社の求人広告が多い

 理由1により、アニメーターになる、またはアニメ(絵)を描き始める動機―「俺もあんなアニメ描きたい!」「人気アニメを作りたい!」「アニメーターってすごい!」―が生まれます。理由2により、若き「ニコ厨」たちはアニメーターという仕事を、今までに比べて格段に具体的に進路の一つとして考えられます*1。アマチュアでもできる。俺にもできそう、と。さらに理由3によって、簡単に企業のアニメーター求人要綱や、場合によってはアニメの専門学校のサイトにアクセスできるのです。ニコニコ動画のMADが大好きな素質ある中高生が、自分が今いる学校から、アニメーターになるまでの「道」が一貫して示されているのです。
 それは、自分が今一番好きなもの(=アニメ)を作る職業への道です。多感な時期にある*2若きニコ厨たちに、このような環境が用意されていることは、10年後の日本アニメ界を大きく盛り上げる原因になるでしょう。*3がんばれ。そしてオレにすばらしいアニメを見せてください。あとメダロットを復活させてください。ニコ厨は、スパロボもいいけどメダロットにもっと愛情を注ぐべきです。

*1:この意味では、スタジオジブリにがんばってほしいです。現在「オタクじゃない」アニメは正直ジブリしかない。アニメーターという職業の頂点に「スタジオジブリ就職」があると説得できれば、世のカーチャンたちも息子の進路を応援してくれるのではないでしょうか。ほらポニョ興行収入12億円だよ、優良企業だよって説得したらいいんだよ。

*2:この言い方けっこう嫌いなんですけど、他に思いつかないのです

*3:同じことが、声優とかボーカリスト(歌ってみた)とかギタリスト(演奏してみた)とかゲームクリエイター(改造ポケモンを友人にやらせてなんとやら)にもいえるかもしれません