「派遣村?甘えるな、死ね」んーきもちいーっ!! ってこと。

http://anond.hatelabo.jp/20090112165017を読んで。
 派遣村がなぜ叩かれるか、って簡単な話だと思うんです。「派遣村に集まっている人たち」というのは、叩く側の人たちにとっては、自分たちより下の存在だから、叩くんです。道徳的でない人間は、弱いものをいじめると、気持ちいいんです。昔、村上龍が、小説の中で、「勝ち組」「負け組」という言葉は、「負け組」が社会の中でごく少数であるときには、全体的なカタルシスとして機能するけど、「負け組」が実際に社会の中で大きな部分を占めるようになると、もうそんな言葉は使えなくなるし、使わなくなる、ということに触れていました。まさにその通りで、今回の派遣村の話も、この数ヶ月で、契約が切れたり、早期解雇されたりした労働者自体が、日本の中でそこまで多くないわけです。その中で突然ホームレスになる人はさらに少ないのです。さらに、「痛いニュース」に紹介されるような記事の中で、派遣村を叩いている人たちは、多くが学生だと思います。実際は、まだ就活を経験していない学生など、「派遣はバカだ、俺は優秀だからあんなことにはならない」と思っている人たちが、派遣村を叩いているはずです。
 当然、所得が低い人の中にも叩いている人たちはいると思いますが、境遇がどうこうではなく、単純に、人を見下すことが好きな人たちが叩いているのです。基本的に、ヒエラルキーが好きな人というのは、自分がヒエラルキーの中で最下層だとは思っていません。自分の基準で、自分より下層にいると思う人間をあざけることでカタルシスを得ているような人たちです。
 そして、この人を見下すのが大好きな人間が最近ネットに多すぎるのです。去年、異常に流行した「情報弱者」という言葉がそれを表していると思います。こういう人たちは、ネットでいい加減な知識を得て、自分が社会の裏を見通している特別な人間になった気になり、自分の(ネット上の)価値観と異なる価値観を持った人を見下します。「痛いニュース」などを見れば、これはすぐ解ると思います。
 結局、「ネットでやたら熱心にブーイングしている人は、中2病」ということです。テーマが派遣であるだけで、ネットでギャーギャー言っている層は別にふだんと変わらないのです。派遣村の問題を考える意味はあっても、派遣村を叩く人について考える意味はありません。