「これだけでOK!」という学習法が一番あぶない

 はてなブックマークで上位に来ていた「英語学習法」的なものを適当に見ていて、いろいろと気づくものがあった。ひとつは、人気のある学習法のほとんどは、「今まで主流であった辛く厳しい学習法を否定して楽しく手軽な学習法を薦める」ものであって、英語を学習する上で有効なシラバスになるようなものはまずないことだ。
 思い出してみると、「わかりやすい」と評判の塾の先生はたいてい「これだけ!ここを抑えれば解けます!」というような言い方をよくしていた。まず70%くらいの問題に当てはまる解放を教えて、残り30%の「例外」への対処法は時間が余ったらやる程度。決して「例外」への対処法を暗記することは推奨しない。「覚えないといけない」と言うと、生徒は「あの先生、わかりにくい」「むずかしい」と感じるからだ。わざわざ自分の評価を下げるような教え方をする先生はいない。塾では、ふつう、塾講師の「成績」は、「どれだけ生徒の成績を上げたか」ではなく、「どれだけ生徒対象のアンケートで『わかりやすい』という評価をもらえたか」で決まるのだ。
 さすがに、中学生でもあるまいし、いい大人が「楽で手軽な学習法」をガンガンブックマークしてるってどうなの、と思う。確かにとっつきやすいかもしれないけど、それ、見た目よくするために大切な部分を省きまくってますよ? 「実は○○はやらなくていい」と、言語学者でも予備校関係者でもない素人に言われて、あっさり切り捨てられる人には違和感を感じるのです。